教育再生会議について

目的について。「21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を図っていくため」だって。まあ安倍総理大臣(当時)は以下のようなことを言っている。

まず教育再生の最終的な大目標として、すべての子どもに高い学力と規範意識を身に付ける機会を保障することであります。(中略)具体的には、まず第一に質の高い教育を提供し、学力の向上を図る方策を御検討願いたいと存じます。(中略)第二に、規範意識や情操を身に付けた、「美しい人づくり」のための方策を御議論いただきたいと考えております。(中略)第三に、家庭や地域の教育力を高め、だれもが「家族、ふるさと、このすばらしきもの」と思えるよう、地域ぐるみの教育を再生するための方策を御検討いただきたいと考えております。(中略)更に大学・大学院の国際競争力の強化など、我が国が未来に向かって成長する基盤づくりに取り組みたいと考えております。

メンバーは以下の通り。

浅利慶太 劇団四季代表・演出家
池田守男 株式会社資生堂相談役
海老名香葉子 エッセイスト
小野元独立行政法人日本学術振興会理事長
陰山英男 立命館大学大学教育開発・支援センター教授、立命館小学校副校長
葛西敬之 東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長
川勝平太 静岡文化芸術大学学長
小谷実可子 スポーツコメンテーター
小宮山宏 東京大学総長
品川裕香 教育ジャーナリスト
白石真澄 関西大学政策創造学部教授
張富士夫 トヨタ自動車株式会社会長
中嶋嶺雄 国際教養大学理事長・学長
野依良治 独立行政法人理化学研究所理事長
宮本延春 豊川高等学校教諭
渡邉美樹 ワタミ株式会社代表取締役社長・CEO、学校法人郁文館夢学園理事長

総会の議事録をみた印象は以下のとおり。

  • 実現性の議論がない。
    • これまでの公教育の設計思想が復習されていない。
    • 学校・教師に新たな仕事を発生させる提言をしている。
  • 社会人をどう教育するかという観点はない。学校を卒業したら勉強しなくていいらしい。
  • そもそも生徒(学生)同士が、学力や徳などどいった指標とは別のヒエラルキーを形成し、学びから積極的に逃走している事実が述べられていない
  • 学校教育でできることは、講座を聴かせることと、ペーパーテストを行うことだけであるという認識がない。
  • あらゆる授業をwebで公開すれば、いつでも学び直すことができるという観点がない。

いいこと言ってた議員の発言について。

  • 品川裕香
    • 「すべての子どもの成長発達権を保障するという視点に立ちますならば、既存のシステムを変えるには学校を前提にした教育でなくてもいいのかもしれません。」
    • 「犯罪社会学では義務教育の留年というのは反社会的行動を増やすリスク要因だからです。そういったエビデンスがあるにもかかわらず、勉強が遅れているから原級留置というのは道理が通らない。」
    • 「いじめや不登校、学校不適応の放置は、その子供の成長発達権の侵害であり、将来、社会的な自立を困難にするリスク要因を学校で作っていることになります。その意識を、教育関係者や保護者は持たなければなりません。」
  • 町村官房長官
    • 「とにかく1年たったら学年が1年上がるというのは、教育界における悪平等の最たるものと僕は思っているんです」
  • 小宮山宏
    • 「一人一人が同じようにお金を持っていて、老後のことを気にしているというような国の所得構造の国で、どうやって1兆円の寄附を集めるか」

分科会の議事録はまたあとで。だいぶやる気はなくなってきた。