なぜ批評空間はゲームと映画で存在し、漫画とアニメに存在しないのか

制作者の趣味という点はあるかもしれない。
しかし、それよりは、メディアの性格として、パッケージ形式か、連載形式かの違いがあり、それゆえ、批評の正確さと即時性の間のジレンマが生じるからだと考えている。
TVで放送される一般のアニメーションや雑誌で連載される一般の漫画作品は、完結していないがゆえに、評価が定まらないから、批評の対象になりづらい。期待感が点数を水増しさせることもあるし、その逆もある。正確に作品全体を評価し得ないから、連載中の作品と連載終了後の作品で、点数を分けなければならなくなるだろう。
アニメーションという表現形式が批評者に合わないわけではない。実際、映画批評空間ではアニメーション映画の批評も行われている。また、エロゲー批評空間においても、連載形式の作品(例えば、ひぐらしのなく頃に)では未評価とするユーザがちらほらいた。
連載形式の作品が中心であるようなメディアの批評は、ひとつは、連載終了後の作品にのみ完全な評価を与える方法がある。また、細切れの作品単位で評価を与えることも考えられる(アニメの1話単位、連載1回や単行本1回単位)。最後に、ある程度の時期を単位に評価を与えることもできる(1ヶ月や1年単位)。たとえばBlogでは完結が作者の死か放棄によってのみ行われるのだから、エントリ単位か、もしくは時期単位で批評せざるを得ない。当Blogで年1度行っているランキングも、今年1年間分の内容を総合して判断しているものである。