総裁選大規模OFFについて

主に2chを介して烏合の衆が250〜300人集合し、3時間程度ばらばらと麻生コールを行っていたというのが事実である。予想得票数プラス50名という結果を、彼らがチルドレンや派閥内保守主義者の心を後押ししたのか、有権者のプレッシャーを感じさせたのか、それとも単に議員自身が福田氏ではやばいと感じたのか、は、分からない。
烏合の衆は強い連帯を望まない。1000の書き込みで流れる掲示板上の結びつきを望む。だからこそ有権者の民意を反映しているともいえるし、マスメディアによる切り崩しがまだ有効なのだとも言える。党員投票ではかろうじて麻生氏の方が勝っていたのだから、この行動もかろうじて民意の反映としての名分を守ったといえよう。
だがこれが国政選挙であれば?国民には、マスメディアにより作られたイメージが自分にとって合うと感じた人に投票するという行動傾向がある。桜チャンネルが渋谷と青山で100名以上の通行人に対して行ったインタビューの結果と、それぞれの総裁候補が挙げていたビジョンには齟齬があった。主観的な意見になるが、総裁同士のテレビ討論の結果を見ても、能力に明らかな差があった(片方は派閥の制約があって言いたいことを言えないという背景はある)。
福田氏が取りえる道は、小泉改革路線の継続か、もしくはバラマキ型の政治となろう。批判はマスメディアのスポンサーである輸出企業に恩を売っておけば避けられる。あとは、衆院選有権者が決めることになろう。
ニコニコでテレビ討論の動画見ると「チンパンアチャー」となる人の方が多いと思われ。けど急激な改革は困るとか、党員投票で信を問うてないのに弱小派閥の領袖がうまく組閣できんのかという意見もある。街頭に集まった暇人たちも書籍『自由と繁栄の弧』を読んでいる人間もいれば、単に2chの福田批判の書き込みを見て行った人もいるだろう。客観的評価は、党員投票の結果でしかない。そして党員と一般の有権者では保守的な考え方や、政治に関するモチベーションや情報リテラシーに違いがある。烏合の衆についても、麻生氏が中国や韓国に対して日中平和友好条約や小泉談話を継承した場合に、離反する可能性だってある。烏合の衆はさまざまなメディアで伝えられた麻生氏の行動、言動、思想、カリスマ性に惹かれて集合した人間なのであり、その周りの議員たちに対しては仲間意識こそ持ちはすれど、同じような尊敬を持っているとは限らないことに注意すべきだろう。
議員も、ひま人たちも、「日々の生活と労働は日本の国益や世界の平和に無縁ではない」という事実をもとに、日々粛々と過ごしていけばよい。現行メディアよりも情報量においてましなメディアが台頭するのを待ちながら。