ノベルゲー*1を他のメディアに変換する方法

一番単純な方法は、巻を分けることだ。「ひぐらしのなく頃に」は漫画、アニメともになんとか編で分けることができた。
しかし、ノベルゲームの多くは、共通パートが存在する。いわゆる導入部だ。巻を分けて一から説明する、という方法では、重複が多くて読みづらい。よって、一つの時間軸中で登場人物と知り合い、仲良くなり、課題を解決するという描き方を採用することになる。
時間軸を一つにすると、元々のノベルゲームが重婚エンドでない限り、あるヒロインひとりと結ばれる、という終わり方になる。言い換えると、他のヒロインとの関係は、友人で終わることになる。ここで問題が発生する。ノベルゲームの盛り上がりは、ヒロインとの恋人関係を軸にして進んでいくため、友人同士で終わるならば、盛り上がるイベントが発生しないことになる。
一つの解決策は、結ばれるべきヒロインとの関係のみを描写することだ。しかし、これは他のヒロインが浮かばれないと信者が暴走するのでおすすめしない。
別の解決策としては、友人同士のまま課題を解決する方法がある。しかしヒロインの課題の多くは心理的な問題であり、友人として介入するのは不自然といえる。複数のヒロインが出る作品の場合、主人公はヒロインのトラウマを次から次へと癒して見返りを求めない超人として描かれることになる。さらに、ヒロイン同士の嫉妬が描写されることもない。嫉妬や闘いの描写の方が面白いので作品の主題から外れることになるからだ。結論としては、登場人物がいい人過ぎる、という作品に落ち着くことになる。
そもそもの原因は、恋人同士という関係が排他性を帯びることにある。メディア変換を前提として、ノベルゲームの作品構造を制限するというのがスマートかもしれない。例えば、一夫多妻を正当化したり(うたわれるもの)、強制ループで記憶を断ち切ったり(リトルバスターズ!)。