アドホック無線ネットワーク

無線LANが発達すると、プロバイダを介さずにファイル交換することが可能になるかもしれない。2007年から普及期に入る新しい無線規格とともに、その可能性について考察する。
無線LANにはアドホックモードがあり、これは、アクセスポイントを介することなく他のマシンと通信するものだ。これを利用する。
アドホックモードで世界中のマシンが繋がれば、プロバイダを介さずに直接通信ができる。全国のファイル交換ファンは堪らないだろうが、脱法行為でなくてもっと有用な使い道もある。災害時のネットワーク構築等。
一般向け解説おわり。以下、マニアな話。
参入障壁として、アドホックモードとアクセスポイントにつなぐモードが同時に使えないというものがある。これは、無線LANカードを仮想化して、1台をアドホックモードとすることで解決できるだろう。アドホックモードで通信可能なピア数を増やすために、複数の無線LANカードを仮想化するなり、アプリケーションレイヤでむにゃむにゃすることが求められるかもしれない。
次にWiMax802.11nのどちらを使うかという話だが、前者は少ないユーザでネットワークが構築可能なこと、後者は802.11系の下位互換性が存在するため、潜在ユーザ数が多いというそれぞれの利点がある。アプリケーション側で物理層の違いを吸収することができればそれが一番良い。
最大の参入障壁として、ノートPCには無線LANがついているけれどデスクトップPCにわざわざ無線LANをつけるか?という話がある。これには破壊的解決策があって、光ファイバの神マシンがインターネット接続を提供すればよい。旧電電公社ADSL契約をしている人間は、2ヶ月でペイすると判断し、プロバイダと電話契約を打ち切るだろう。何百万も利用者がいれば、経済的計算よりもプロバイダに対する恨みの方が強い人間や、自己顕示欲の強い人間は存在するだろう。
通信の暗号化や通信内容をユーザに直接知らせない仕組みや、帯域制御・・・考えなければならないことはたくさんあるけれど、普及のためにはIPv6が必須で、正式対応するのがVistaからだ。ということで、MS頑張れ。