ABC理論

「タイトルだけ懐かしのあの日を振り返る日記」あたりでABCのキーワードを抽出して、あるあるwwと言ってみたりする。
小5時点でクラスに階層構造が生じた。実際は小4だったが(それは恋愛の始まりでもある)、クラス内のグループに分派していたため、表面上現れてこなかった。クラス全体が階層構造を持ったのは、小5。
さて筆者は頭のいいというオプションを持っていたがスポーツは全然駄目だったので頑張ってもBクラスであることを運命づけられていた。かといってBクラスでの地位を維持しようとしてAクラスの馬鹿に取り入ってストレスフルな生活を味わうのも嫌だったので、Cグループにチェンジすることとした。
当時はCグループといっても「小4までのノリが好きな人間」が階層構造に乗り切れずにCに分類されていたものだった。ということで、目に見えた排除はCの中の一部にしか適用されなかった。で、その古い考えを持つグループに参画した当時はそれはそれで大変だった。新参者は一番下の序列に入るし、遊び場も家から遠くなったし。けれど、Cのノリは自分には合うものだった。基本はオタクだったから。
それでもクラスの階層には敏感にならざるを得なかった。権力構造の把握は重要だった。Aグループの人間同士は連帯しているが、男女関係で時々対立する。「誰が誰を好きである」という情報は機密情報として扱われ、交渉カードとしての価値があった。女子の間で消しゴムに好きな男子の名前を書くと両想いになれるという奇妙な流行があり、こちらとしては都合がよかった。
女子同士の連帯を見抜くこともでき(同じグループの女子は同じ男子を好きにはならない)、Cには決して明かされないネットワーク構造を把握できた。それはクラス内で平穏に生きるために重要なことだった。時には水泳の授業を休んで女子同士の交換日記を盗み見た。そこには、より直接的な好き嫌いの羅列があった。
このように、Cとして安心して生きていくために、いつでも破壊工作が可能な体制を作っておいた。その上で、Cの友人たちと心置きなくファミコンスーパーファミコンをやり込み、秘密基地を作り、くだらない漫画やうんこをノートに書き殴る等のすばらしい子供時代を続けることができたのだった。誰が好きとか嫌いとかいう恋愛と権力の暗部をかわしつつ。