普通の家族がいちばん怖い―徹底調査!破滅する日本の食卓 (単行本)

を読んだ。
たとえば土日の食事はマルチビタミン&ミネラルを錠剤で朝飲んで、腹が減ったときにカップめんを啜り、罪悪感を解消するためにコンビニに向かい、おにぎりにプラス野菜ジュースで罪滅ぼし。そういう人間が口を開けば「やっぱ手料理が出来る人がいいよね」みたいな、まあそういう自分自身をそこに見た。
言行一致とはいうものの、さすがに「手料理はブルジョワ。素人はマルチビタミンプロテインとてきとーな炭水化物で一日300円くらいで生きていける。そうするべし。」とも主張できない。まあ世間でそんなこと言い出したらアホだけれども、行動としては近いことをやっている。
合理性によって文化が死に絶えようとしているわけだが、まあ、大雑把なレシピは記録されているのだから、社会構造が変化したあとに一からやり直しになろう。各家庭にある伝統は消えるが、それは家制度が廃止されたと同時に消える運命にあったということで。