鳥インフルエンザ関連情報 - 3 公的機関等の情報

◎外務省 海外安全ホームページ//感染症SARS鳥インフルエンザ等)関連情報より
2007/12/11 中国:鳥インフルエンザのヒト−ヒト感染疑い例の発生
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2007C394

2007年12月10日、中国衛生部は中国江蘇省南京市においてH5N1型鳥インフルエンザのヒト感染例が2例確認されたことにつき、以下(1)、(2)及び(3)のとおり発表しました。いずれのケースも家禽類との接触歴が確認されておらず、さらに親子が感染したことからヒト−ヒト感染の疑いも指摘されていますが、中国衛生部が、感染源等につき現在調査をしています。

(中略)

(3)病原学検査結果
症例1のウイルスを分析した結果、禽源性であり、変異は発生しておらず、ヒトからヒトへ移る生物学的な基礎は備えていない。

厚生労働省 鳥インフルエンザに関する情報(関連情報)

国民の皆様へ(鳥インフルエンザについて)
平成16年3月9日 食品安全委員会厚生労働省農林水産省環境省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/05.html
より抜粋

1.鶏肉、卵の安全性について

鳥インフルエンザについては、これまで、鶏肉や鶏卵を食べることによって、人に感染したという事例の報告はありません。
このため、食品衛生の観点からは、鳥インフルエンザ発生農場から出荷された鶏卵や鶏肉を回収する必要はないものと考えられます。

2.鳥インフルエンザウイルスの人への感染について

鳥インフルエンザは、この病気にかかった鶏と接触して、羽や粉末状になったフンを吸い込んだり、その鶏のフンや内臓に触れた手を介して鼻からウイルスが入るなど、人の体内に大量のウイルスが入ってしまった場合に、ごくまれにかかることがあることが知られています。
また、今年に入ってから、人が鳥インフルエンザにかかったことが確認された例は、世界的にみてもベトナムとタイであわせて32例(3月5日現在)ありますが、これまで人から人にうつったことが確認された例はありません。

国立感染症研究所 感染症情報センター

鳥インフルエンザに関するQ&A
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/QA0612.html
より抜粋

Q2:鳥からヒトに感染しますか?

本来鳥インフルエンザウイルスは種の壁があるため、ヒトへは感染しないと考えられていました。この理由は、ヒトインフルエンザウイルスが感染、すなわちヒトの細胞の中に侵入するために用いる受容体と鳥インフルエンザウイルスが鳥に感染する際に用いる受容体は異なったものであり、それぞれヒトはヒトインフルエンザウイルスに対する受容体を、鳥は鳥インフルエンザウイルスに対する受容体を持つため、それぞれのウイルスには感染するが、ヒトは鳥インフルエンザウイルスの受容体をもっていないため、これには感染しないと考えられていたからです。

しかしながら、過去世界的にみると現在までにいくつかの感染事例が報告されており(表)、この理由は明確ではないが、おそらくは受容体の違いというのは、厳密なものではないため、大量にそのウイルスが体内に入れば多少の違いがあっても感染してしまうのだろう、すなわち大量暴露によっては感染しうるものであると理解されていました。

(略)すなわち、この一連の発生事例は、鳥インフルエンザウイルスといえども、濃厚に接触すれば、やはり感染するということを如実に物語っています。

(略)ヒトの肺胞上皮に鳥インフルエンザウイルスに対する受容体があることを示しており、この受容体が肺の深部にあるために、鳥インフルエンザウイルスに大量に暴露された場合には鳥からヒトに感染しうるが、ヒトからヒトへは容易には感染しないことを示唆しています。

Q4:ヒトからヒトへ感染しますか?

現在アジアを中心に流行しているH5N1亜型に関しては、明らかにヒト-ヒト感染が疑われる事例は、ベトナムとタイ、インドネシアにおける濃厚接触による3件と、2006年5月末に報告されたインドネシアの北スマトラの一農村における家族内集積事例が報告されています。前者の3例は、それぞれ患児を看病しており濃厚な接触をしていた母親に1対1で感染したと考えられていますが、後者では、一人の母親から、その兄弟とそれぞれのこどもたちに合計6例の感染者がみられており、その後一人のこどもから父親に感染が認められ、第三世代までの感染があったと考えられています。つまり現状でも濃厚である程度の期間持続する接触があれば、感染は起こりうると考えられます。なお、これまでのところ(2006年12月時点)、効率的な持続的なヒト-ヒト感染の証拠はありません。


Q5:ヒトが感染したときにはどのような症状がでますか?

2006年11月現在アジアを中心に発生がみられる、H5N1亜型では、初期症状は突然の高熱(ほとんどは38℃以上)と咳などの気道症状、全身倦怠などを伴うインフルエンザ様症状で、時に下痢、嘔吐、腹痛、胸痛などに加え、場合によって鼻出血や歯肉出血が初期症状として報告されていますが、H5N1亜型感染による特徴的な経過として、早期に下気道症状が出現し、急速に増悪する点があり、多くの患者では初診時にすでに一次性のウイルス性肺炎による下気道症状が認められています。タイでは、発症後6日程度(4〜13日)でARDS(急性呼吸窮迫症候群)を発症したと報告されており、トルコにおける重症例では発症から3〜5日で呼吸不全が認められたとしています。またもう一つの特徴として多臓器不全やDIC(播種性血管内凝固症候群)が報告されています。一方、ベトナムからは、ほとんど呼吸器症状のない、脳炎事例が報告されており、その引き起こす疾患の幅が広いことを示唆しています。

H5N1亜型による致死率は、これまでのところ全体で56%(WER 26(81):249-260,2006.)ですが、年齢層によって異なり、10〜39歳で最も高い数字がでています。

現状では、発症から医療機関受診までの期間はおおむね4日前後であり(WER 26(81):249-260,2006.)、発症早期に受診している例は多くはないこと、そしてこの発症から受診までの遅れが、これまで抗ウイルス薬の効果を評価できない原因となっています。

Q8:ヒトの鳥インフルエンザウイルス感染の治療はどのようにして行いますか?

現在までのところ、抗インフルエンザウイルス薬であるノイラミニダーゼ阻害剤(タミフル)の実際のヒトにおける治療効果についての証拠はありませんが、早期治療により効果が期待できるだろうと考えられております。

Q10: ヒトのインフルエンザワクチンは鳥インフルエンザに効きますか?

現在使用されているヒトのインフルエンザワクチンは、H5型やH7型などの鳥インフルエンザに対しての効果は期待できません。

ただし、ヒトインフルエンザウイルスおよび鳥インフルエンザウイルス双方の感染が同時におこると、ヒトの体内でウイルスの組み換えがおこり、ヒトからヒトへの感染をおこしやすい新型のインフルエンザウイルスの発生につながる可能性もあります。このため職業上鳥インフルエンザウイルス感染の可能性の高い方には、ヒトの間での通常のインフルエンザ流行期には現在使用されているヒト用のインフルエンザワクチンの接種が勧められています。

◎生活環境化学の部屋

鳥インフルエンザ新型インフルエンザ情報(過去のニュースたくさん)
http://www.ecosci.jp/chem10/weekmol049.html


◎東京都によるパンデミックプラン(一部):

東京都の新型インフルエンザ対策について(報告)
平成17年10月
東京都新興感染症対策会議
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2005/10/DATA/20fak500.pdf
より抜粋

・国内発生期(国内で発生し、感染拡大が非常に限られている時期)

知事は、「発生宣言」を発表するとともに「感染症対策本部」(本部長:知事)を設置する。

・都内流行期(都内で複数のクラスター「感染者の小集団」が見られる時期)

知事は、「流行警戒宣言」を発表するとともに、社会不安の解消に努める。
知事は、市民生活上不可欠な公共交通機関ライフライン等の社会機能は確保しつつも、感染拡大防止のため、都民に対し、不要不急の外出や催し物の自粛を呼びかける。
公共交通機関及び電気・ガス・水道などのライフライン事業者の協力を得て、その機能の確保に努めなければならない。
また、区市町村が行うごみ収集等については、区市町村と連携して機能確保に努める必要がある。
社会機能の低下による影響を最小限とするため、都民及び企業の事業者に対して電気、ガス、水道その他資源の使用を抑制するよう、協力を要請する必要がある。
社会機能が低下する中、関係業界団体等の協力を得て、食料・生活必需品の確保に努めなければならない。また、流通の各段階での取引量の把握に努め、その情報を都民に提供する必要がある。
社会機能の低下に乗じた治安の悪化から市民生活の安全・安心を確保するため、警視庁、東京消防庁区市町村、地域の住民団体等の協力の下、地域住民による自主的な防犯・防災活動を支援することが重要である。
新型インフルエンザによる死亡者が多数となった場合、火葬場の事業主に、可能な限り焼却炉を稼動するよう要請する。

・大規模流行期(流行予測を超えて都内で大流行する時期)

知事は、「感染症緊急事態宣言」を発表するとともに、「感染症緊急事態対策本部」(本部長:知事)を設置する。
新型インフルエンザの大流行による社会機能の破たんを回避するため、範囲と期間を限定し、公共交通機関の運行縮小や企業等の営業活動の自粛を要請する措置をとる。
ヒトの移動や集合に伴う感染の機会を減少させるため、区間と期間を限定して、公共交通機関の運行縮小を事業者に要請する必要がある。
ヒトの集合に伴う感染の機会を減少させるため、スタジアム、劇場等の集客施設業界など、業種と期間を限定し、事業活動の自粛を事業者に要請する必要がある。
火葬場の焼却能力の限界を超えた場合、遺体を一時的に安置するため、臨時の医療施設とは別の、都や区市町村の体育館やスポーツセンター等の公共施設を使用する必要がある。
一時的に設置された遺体安置所において、収容能力を超える事態となった場合、十分な消毒を行なった上で、都立公園等に一時的に埋葬することも検討する必要がある。

・流行終息期 (都内全域で終息に向っている時期)

大規模流行期を経て、新型インフルエンザの流行が終息したと判断したとき、知事は「終息宣言」を発表する。

◎鳥(H5N1)・新型インフルエンザ(フェーズ3〜5)対策における患者との接触に関するPPE(個人防護具)について

国立感染症研究所感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/05pandemic/PPE070322ver1.4.pdf
より抜粋

インフルエンザ(H5N1)の感染経路は明確ではなく、感染対策に関する厳密な根拠は存在しない
標準予防策・接触予防策・飛沫予防策・空気予防策のすべてを実施することが望ましい
新型インフルエンザが流行し始めて患者が発生するようになると、その感染経路が明らかになり、必要な感染予防策も明確になるであろう

手袋:水を通さない材質のものでなければならない
ゴーグル:患者由来の液体が目に入らないように防御する目的で使用する

N95マスクの付け方についても解説あり

外岡立人小樽市保健所長個人サイト「鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報」

市民のための新型インフルエンザ対策ガイドライン第一版
平成19年5月 小樽市保健所
http://homepage3.nifty.com/sank/jyouhou/BIRDFLU/otaruguide.pdf
より抜粋

これまで世界で鳥インフルエンザに感染し、死亡した人々の多くが10代から20代の若者であることを考えると、若年層に優先的にワクチンを投与すべきという考え方も理にかなっているかも知れません。さらにスペイン・インフルエンザの際も多くの屈強な若い兵士達が死亡した記録も、そうした考え方を支持しています。なぜ鳥インフルエンザを含む新型インフルエンザで、若い世代が最も重症化しやすいのか、その理由は以下のように考えられています。

鳥インフルエンザ、さらにそれから変異した新型インフルエンザウィルスの感染は時として、免疫力の旺盛な若い世代で、体内の免疫機構を過剰に活性化して(サイトカイン・ストームと医学的には呼ばれています)、全身の臓器障害を生じる傾向があります。それが多臓器不全にまで発展すると、その多くが死亡します。


◎Sasayama's Weblog笹山登生の政策道場)

中国・江蘇省のH5N1鳥インフルエンザのその後
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=801
より最新の状況を抜粋

この父子と鶏との接触点と言えば、息子が南京大学の成人教育学院に合格したことを祝して、父母が、息子と息子の女友達を連れて、4人で、南京の繁華街の夫子廟で、名物の蓮の葉で包み、土で固めて焼いた鶏の蒸し焼き「叫花鶏」を食べたことだという。

さらにここにきて、香港大公報が報じるところによると、24才の男性の母親と女友達が、感染し、特に、女友達の症状が深刻な物であると、報じたのだが、江蘇省衛生庁は、これを否定している。

第一の患者との接触者69名のうち、55名は、すでに隔離を解除しており、第二の患者の接触者20名についても、隔離をしている。今のところは、これらの隔離者に異常はみられていないようだ。

こんなことで、南京名物の“叫花鶏”は、全面販売禁止になっているようである。

なお、鳥インフルエンザ関連のカテゴリは以下にある。
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?cat=2