水際作戦

水際作戦は、すなわち時間稼ぎが目的なのだろう。あと、国が能動的に新型インフルエンザの発生を検知し、対策を打てるようにしたいと。
意味あんのか?と思う。
今回のインフルエンザの病原性は、「家で寝てろ」というレベルのものであり、家族間の罹患率もそれほど高くない(季節性インフルエンザと同等)ことと、夏場であることから、病院に行ってタミフル貰って帰る*1、という季節性インフルエンザと同じ対応でよい。
それでも皆最大級の対応をしているのは、Politically Correctnessを錦の御旗とするメディアスクラムが怖いからである。リソースが余っているなら、H5N1の予行練習ということで勝手にやればよいが、案の定医者やら学校が不信感を国と世間に対して抱くようになってしまっている。
しかし、いつまでこれを続けるのだろうか。水際作戦に意味がなくなるまでだろうか。楽観的なシナリオでは、外国でのインフルエンザ禍が収まり、水際作戦で疑い例が検出されることがなくなるまでだろう。悲観的なシナリオでは、検疫をすり抜けて国内で人人感染のクラスタが多数発生し、空港での検疫に意味がないと国が判断するまでだろう。どちらの可能性が高いのだろうか。潜伏期間を考慮すると、後者の可能性が高い。そうすればまたPC的批判がマスコミから起こるだけで、分が悪い賭けではないか。
水際作戦は、感染症の症例が明らかになるまでは、これを明らかにする時間を稼ぎ、国内の各組織が対策を発動させるタイミングを検知する、という意義があると考える。症例が明らかになった後は、その変異を検知したい、という要求くらいしか満たせない。そしてインフルエンザの国内での変異状況を逐一確認する、というのは現状のリソース上、不可能だし、求められないと考える。
そんなわけでメディアのいいおもちゃになっている新型インフルエンザ国内発生のニュースであるが、関係各位は批判を気にすることなく業務をしてほしい。責任者は、マスコミが飽きるまでは対策を続け、飽きたらさくっと止めて冬期インフルエンザの流行対策を考えていただきたい。マスコミはさっさと火消しをすること。

*1:まあ熱が出てからタミフル飲んでも無意味なんだけど