日本世論の右傾化

日本で最もアクセス数の多いサイトであるYahoo!JAPAN*1。このサイトにあるニュース欄、いわゆるYahoo!ニュースにコメント欄がついたのが2007年10月22日。ポイントは、コメントにはYahoo!IDが必要ということ、つまり匿名であるということと、同意した意見には「わたしもそう思う」ボタンをつけること、「わたしもそう思う」の数が多い順にコメントが並び、とくにトップ5はニュース記事を同じページに表示されるということだ。なお、「わたしもそう思う」ボタンは、1人が複数のコメントについてつけることができるが、ページ単位で永続化Cookieに保存しているらしく、別のエンジンを使ったブラウザを用いなければ投票が増やせない。もちろん、Cookieを消すなり、別のPCからやるなりすればよい。
Yahoo!ニュースは、ネットに慣れていない、はてなって???みたいな人、あるいは2ちゃんねるって危ないインターネットでウィルスにかかるんでしょう、という人も、見る。ビデオ録画できない知り合いも、Yahoo!ニュースは仕事中によく見ている。ここで取り上げられる論は、コメント数でソートされ、リンクもされない以上、「議論」ではないが、「意見」として抽出され、さらに扇動されることもある。論の中身を見ると、人気のあるものは、反政府、反メディア、反外国主義という、いわゆる2ちゃんねるのニュース速報+板の論調に似ているのである。昔の記事で、ネット世論とは2ちゃんねるはてなである、と言ったが、世論が議論ではなく論を欲しているのであれば、Yahoo!ニュースのコメント欄に扇動され投票行動を行う人も出てくるのではないか。次の選挙が大変楽しみである。なお、株屋が集まるYahoo内の別のサイトの書き込みは、妄想が飛び交う戦場と化しており、2ちゃんねるよりひどい状態である。さらに補足すると、地震報道などに災害におけるスタンスは、煽りが支持されない構造上、穏当な意見が上にあがってきています。
いい意見に○をつけるって構造は、1ch.tvのようですな。変に対抗意識を燃やさず、粛々とYahoo!JAPANと連携を取っていれば、実は2chから人をさらえたのかもしれない。

*1:2007年5月には世界一のページビューを記録