CLANNADはスイーツ(笑)

とか某Anonymousdiaryで話題になっている件について。
ttp://anond.hatelabo.jp/20071127121532
まず801板に行くと、なんと!画像URLがですね、見事に男キャラしかいません。おお、これは・・・!斬新な視点だ!もちろん春原と岡崎(主人公とその友人)との関係に話題が終始しておりました。お互いの距離が近すぎるであるとか、この画像はふたりがキスしているように見える!であるとか、普通に生きていて全く気がつきませんでした。完敗です。
CLANNADのゲーム版には、誰とも出会えない主人公のバッドエンドがあります。女キャラのすべてに出会わなかった場合(かつ春原エンドでもない場合)は、ここに陥ります。つまり、我々のことです。
主人公は、たたみかけます。「ヒロインと出会えていなければ、俺には生きる意味はなかった」「出会えたのは運が良かったからだ」「もし孤独であったなら、俺はどうなっていたのだろう、抗いようのない不安がそこにある」と。もちろん、その解決策も提示されていません。主人公は、成功したルートでは、きちんとヒロインと結ばれるからですし、バッドエンドに至っても、高校3年生の段階で物語は中断させられるからです。バッドエンドを描いたら、商業ルートに乗せられません。
CLANNADのゲーム版には、また、ヒロインとの関係づくりにかなりの時間を割いています。初めて出会った人間同士が、いっしょに活動し、仲を深めていく仮定が、緊張感をもって描かれています。恋人になるまでの期間は10日程度と短いのですが、主人公に与えられた「離れる」選択肢がたびたび出てくること、心理的に接近せざるを得ない状況に追い込まれることが、その理由です。
メインヒロインとのシナリオにおいて、主人公とヒロインの関係が決定的に決まる、すなわち恋人コースになる瞬間は、ヒロインが主人公に手を振るシーンでした。お互いがお互いを好ましく想っている状況においても、まだ、別離のための選択肢は用意されていました。相手側の勇気に報いたい、という感情により、主人公とヒロインの仲が安定することになります。
人生に挫折し、他人と接することに疲れた主人公は、ヒロインが可愛いからといって、そのような視点で彼女を見ることをあまりしません。恋人を作る場合、通常の自分より良い自分を見せようと、頑張ることになりますが、主人公にはそういうやる気はありません。ただし、主人公はイケメンなので、むしろ頑張っていたのはヒロインの方だったりします。
人生に疲れたり、異性にアプローチをするのが怖い人間が、それでも恋人関係を作ることができるようにお膳立てしてもらえば、その関係のなかで救われて、報いてあげたいと自然に思うようになる。そして、現実もたぶんそういうものだから頑張れ!ゲームを捨てて現実に還れ!というメッセージを発しているのが、CLANNADの毒々しい面です。そんなの無理だって、作者も判っているはずなのに・・・だから、全年齢版で出したのかもしれません。若ければまだ、やり直しはきくのだ!って。オタクは業だから、無理だっつーの。
で、アニメ版CLANNADですが、物語の整合性を保つのに必死で、主人公とヒロインの間に緊張感がありません。これは仕方がないことです。まともにドラマとして鑑賞に堪えるのは、After Storyからになるでしょう。そういう物語構造なので、一般視聴者に広がりにくいことは予想できたことです。